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【勉強会】クラウドとは・クラウドで変わること

はじめに

総務省が10月から政府共通プラットフォームにAmazon Web ServicesAWS)を採用する方針が立てられ、切り替えが進められています。

 

 高市早苗総務大臣は2月14日の記者会見で、10月に運用を始める予定の「政府共通プラットフォーム」にAmazon Web ServicesAWS)を採用する方針を明らかにした。当初は「『純国産クラウド』を実現できないかと考えていた」というが、国内各社のクラウドと比較・検証を行った結果、「セキュリティ対策なども含め(AWSが)優れていると判断した」としている。

(ITメディア『政府、情報システム基盤にAWS採用 高市総務相「セキュリティ対策も含め判断」』2020年02月14日:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/14/news139.html

このAWSとはアマゾン・ウェブ・サービスのことを指し、米アマゾン社が提供するクラウド・プラットフォームです。

クラウド」という言葉をニュース記事等でよく見かけますが、いまいちイメージがつかめません。今回はそのクラウドコンピューティングについて調べ、個人的な見解も含めて紹介したいと思います。

 歴史

1950年代から、コンピューターの共有という発想があったようです。当時は計算が中心だと思いますが、computing timeはとても貴重で最大限に活用したいと考えられていました。グループ内でcomputing timeを共有できないか、独自の大型コンピュータを持たない中小企業がcomputing timeを利用するにはどうすればよいかという考察が始まっていたそうです。

2002年にアマゾンがwebを基本とした容量の販売をはじめました。

2006年にアマゾンはAWSのサービスを始めました。同年にグーグルもグーグルドキュメントのサービスを開始しました。ユーザーが仮想コンピューターをレンタルして、独自のプログラムやアプリケーションを使用したり、web上でデータの編集、保存、共有が行えるサービスです。

また、2006年に開かれた「Search Engine Strategies Conference(サーチエンジン戦略会議)」にて当時のGoogle CEOがクラウドコンピューティングについて触れたことで、注目が集まりました。

 

 IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表しています。

これによると2019年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比22.9%増の8,778億円となりました。また、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は18.7%で推移し、2024年の市場規模は2019年比2.4倍の2兆644億円になるとIDCは予測しています。

(『国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表』2020年3月18日:

https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46136120

2024年の市場規模は2兆円を超えると予測されています。

2019年からの成長率が18.7%とというのはとても高い推移で進んでいくことがわかりますね。

 クラウドとは

クラウド・コンピューティングとは、コンピュータの利用形態のひとつであり、インターネット経由でアプリケーションやデータ・センターなどのコンピューティング・リソースを、従量課金制で提供するオンデマンド・サービスのこと

 

インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューターが提供するサービスを利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンを用いて使うことができます。

例:Google ドライブ / iCloud / Dropbox / onedrive / freee

クラウドで変わったこと

従来、コンピューター上で資料の編集や保存また様々なアプリを使う際にはそれぞれのデバイスやパソコンにソフトウェアのダウンロードやハードウェアの接続が必要でした。

しかし、クラウド・コンピューティングが導入されることでサービス提供会社が保持、管理するサービスをネットワーク経由で利用することが可能になりました。

Goole Driveでは、それぞれのもつパソコンの容量とは別に、仮想のコンピューター上に保存領域が与えられてデータの保存や編集を行うことができます。他のアカウントとの共有も行えますね。

freee株式会社が提供するクラウド会計アプリは、ソフトウェアのインストールが必要なくweb上でデータの入力や書類制作を行えるクラウドサービスです。ユーザーはソフトウェアを購入という形ではなく、freeeに月額料金を支払うことで利用可能になり、freeeはソフトウェアの開発やアップデート、データの管理を行います。

クラウドサービスのメリット・デメリット

メリット

クラウドサービスは3つの特徴ろそれぞれのメリットがあります。

①導入コスト削減

従来までは、企業は使いたい機能があればそれを可能にするソフトウェアの購入またはデバイスの購入が必要でした。しかし、高額のソフトを購入することは企業にとっても負担でありさらにそのソフトの社内検証も難しいため、企業の抱えるIT投資リスクは大きかったのです。

しかし、クラウドサービスを利用するにはサービスによっては登録のみでweb上でアプリの利用が可能なので社内での検証も容易に行うことができます。機器の設置等もいらず、人的コスト、経済的コストの両方を削減することができるメリットがあります。

 

②運用が楽

クラウドサービスとはいわば、「持たずに使う」ことです。社内での開発やサーバーの維持の必要がないため、サービス提供会社に支払う利用料のみで常に最新のアプリを使うことができ、メンテナンス等も不要であるというメリットがあります。

 

③従量課金制

従量制は定額制と対比される言葉です。今回の内容的にややこしいですが、従量課金制とはサービスなどへの課金方式のひとつで、利用したデータ量や時間、機能などに応じて料金を課す方式です。

マイクロソフトが提供するOffice365では、WordやExcelなど様々なアプリを包括しています。すべてを利用できるライセンスでは高額で、さらに使わない機能があると感じれば、アプリを個別に選んでその分の料金を支払えばよいというわけです。

クラウドサービスでは、サービス提供会社が提供するサービスを選んで利用することが可能なため必要な機能に対して月額いくらや、ユーザー1人当たりいくらというように、実際に社内で利用する分だけ課金していくことができます。On demand型のサービスのため、無駄なく利用できるというメリットがあります。

 

デメリット

社内で独自にサーバーを持たないことや開発をしなくてよいということは、メリットではありますが同時にデメリットでもあります。

①カスタマイズしにくい

自社で開発環境をもたない場合、サービス提供会社の提供するアプリに合わせるしかないため、細かい部分についてカスタマイズすることができないというデメリットがあげられます。

②サービス継続へのリスク

クラウドサービスによる機能が充実している分、サービス提供会社への依存度は大きくなります。もし、クラウドサービス提供会社が倒産やサービス提供を中止してしまった場合、利用企業への影響はとても大きいです。なので、クラウドサービスを利用したサービスを提供している場合、自社サービス継続へのリスクを一定程度含むことになります。

 

このようなデメリットをカバーするために大手企業などは、自社でクラウド環境を構築し社内の各部署やグループ会社に提供する形態のプライベートクラウドをもっています。

クラウドの種類はプライベートクラウドパブリッククラウドに分けられます。

プライベートクラウド」では従来の社内システムのように企業内で求める機能に合わせてシステムを設計・管理できるため柔軟なサービスを構築できます。セキュリティ面についても、独自のセキュリティポリシーを適用でき、強固なセキュリティのもと柔軟に運用することが可能になります。

パブリッククラウド」とは、企業または個人に向けてコンピューティング環境を提供しているオープンな形態を指します。 

所有から利用へ

クラウドコンピューティングの台頭とともによく利用される言葉について紹介していきたいとおもいます。

Saas=Software as a service

 利用者が必要なときにネットワークを通じてソフトウェアを使う形態を表しています。

Paas=Platform as a service

利用者が必要なときにネットワークを通じてプラットフォームであるネットワークやサーバーシステム、OSを使う形態を表しています。

Maas=Mobility as a service

 交通をクラウド化しその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段による移動手段を 1 つのサービスとしてとらえ利用者が必要に応じてネットワークに応じて使う形態を表しています。

 

いままでの製品販売モデルは売り切り型で、企業が開発した製品を顧客に売り、顧客はそれを購入する形が一般的でした。しかし、利用を中心にモデルが変化したことで企業が管理や維持を担う代わりに顧客は利用料を支払うモデルが一般的になりました。

企業があらゆるものを”サービス”として提供するモデルであるため、あらゆるものが「as a service」と結び付けられました。

 こちらのブログでわかりやすく解説されてました。

13才からのビジネスモデルと競争戦略:モノをサービス化する『アズ・ア・サービス』モデル 2017年11月6日:https://otonal.co.jp/blog/2447

 

まとめ

昨日の日経新聞でこのような記事がのっていました。

 

外資クラウドの台頭は、富士通NECなどを筆頭とする国内IT産業を揺さぶっている。象徴が各省庁横断の基盤情報システム「政府共通プラットフォーム」だ。総務省は10月からAWSに切り替える方針だ。公共機関では国産勢を優先すべきだとの声は根強かったが、コスト面などで太刀打ちできなかった。

日経新聞『国内大手、クラウドで劣勢 アマゾンなど海外勢台頭』2020/6/2

 

はじめに示したように日本の政府系プラットフォームではAWSが採用されました。

クラウド技術が日本で普及が遅れていることやアメリカ企業が台頭しているのことには、日米におけるサービスへの考え方の違いがある気がしています。

シリコンバレーではイノベーションの定義は「価値の創造」にあり、彼らの発想やサービスの開発は”顧客のニーズの解決”をもとにスタートします。

また、顧客のニーズにあわせて最小限の準備からスタートする考え方も共有されており、事業をはしらせながら改善を加えていくことが許容されている環境は日本と大きく違うのかなと考えられます。

”顧客のニーズの解決”からプロダクトやサービス開発をすすめる方法は私たち消費者の消費行動の変化にも由来するのではないでしょうか。昔はブランド物や高級車を所有することでステータスをみせたり、稼いだお金を所有物に投資することが一般的でした。しかし高価なものは、使う頻度が低く使われない時間は無駄になってしまいます。今の私たちがモノよりも体験にお金を費やすように(コト消費というんですかね。)消費者のニーズは変化してきました。製品の品質やモノの価値よりも、安くそして幅広いコンテンツが求められるようになりました。それに対応できるように企業もサービスに柔軟性、社内環境の変革が求められました。使いたい機能を使いたい分だけ使えるクラウドサービスは初期費用を抑え、顧客に合わせて提供するサービスを変える企業のプロダクト開発環境を整えてくれます。

日本では過去の栄光から製品の質が重視される体質が残っていました。コロナ禍の下、倒産してしまったレナウンもブランドや高品質にこだわりSPAの波に乗り遅れてしまいました。この点が日米の大きな差のように感じます。

クラウドのデメリットは利用できる機能やサービスがサービス提供会社の開発状況や製品により、自社でのカスタマイズが難しい点にあるといいました。政府が国産の企業ではなく、巨大でカスタマイズが可能なAWSのようなクラウドサービスを選択したのは当然の流れだと思います。

日本の富士通NECといったIT企業もクラウド技術の開発を進めていくとおもいますが、米企業と同じように機能の幅を増やすだけでは追い付けないように思いました。

 

今回はクラウドという言葉を調べていきました。

以前購入した銘柄「ロジザード」はクラウド関連銘柄でひっかかった銘柄でした。このサービスは今後も広がり、生活の一部になっていくとおもいます。

さまざまな業種とクラウドの連携を追っていきます。

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